婚姻費用・養育費の終期の延長
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婚姻費用・養育費の終期の延長

1 成人した子が未成熟子に当たる場合(持病又は障害のある例)

 子が成人した場合であっても、未成熟子に当たり、養育費を支払う義務が生じる場合がある。一例として、子に持病や障害がある場合が挙げられる。

 

東京高等裁判所 昭和45年(ラ)第968号 婚姻費用分担に関する審判に対する公告申立事件 昭和46年3月15日「もともと夫婦は相互に協力し扶助する権利義務を有し、夫婦とその間の未成熟の子をもつて構成する婚姻共同生活を維持継続するために必要とする費用、すなわち婚姻から生ずる費用を各自の資産、収入その他いつさいの事情を考慮して分担すべきものである(民法七六〇条参照)。もつとも夫婦および未成熟の子が同居して円満な婚姻共同生活を続けている場合には夫婦間における婚姻費用の分担が問題となることは少ないが、夫婦間で生活費分担の程度方法について対立を生じ、あるいは婚姻共同生活に破綻を生じ夫婦が別居し、その一方と未成熟の子とが同居するような事態を生じた場合には、婚姻から生ずる費用の分担額、方法などを協議または調停、審判によつて具体的に確定することが現実の問題として提起されるのである。そして、夫婦の一方が別居する他方に対して、婚姻に関する費用の分担を求める旨を家庭裁判所に申立てるにあたり、申立人自身の生活費のほか、自己と同居する未成熟の子の生活費を併せて請求することは、本来あるベき婚姻共同生活を維持継続するために必要な費用であるから当然に許容されるべきところであり、しかもこの場合に右未成熟の子がすでに成年に達しているときでも、その子と右相手方(未成熟子の親)との問の扶養料支払いに関する具体的内容が確定し、またはその子が自身の権利にもとづき右相手方に対し独立して扶養料請求の申立てをしていないかぎり、右と同様に解するのが相当である。これを本件についてみるに、本件記録および原審判挙示の証拠をあわせ考えれば、相手方は原審において、当初はともかく、抗告人との間の長女善美子が仙台から帰り、相手方と同居生活を始めてから後は、相手方自身の生活費のほか、自己と同居する長女喜美子の生活費を含む婚姻から生ずる費用の分担を求める旨申立ての範囲を黙示的に拡張していると推認されること(家事審判のごとき非訟事件の申立ての範囲を拡張する場合には、必ずしも書面をもつて明示的にすることを必要としないものと解すべきである)、長女喜美子は昭和二三年七月三日生れであつて、すでに成年に達しているが、生来病弱で再三にわたつて入院加療を続け、現在もなお自宅でもつぱら母親たる相手方の世話になり病養生活を送つており、とうてい相手方と離れ独立して生活を営むに足る能力を具備せず、法律上の未成熟子とみるのが相当であること、長女喜美子と抗告人との間に扶養料支払いに関する具体的内容が確定しておらず、しかも同人が自身の権利にもとづき抗告人に対し独立して扶養料請求の申立てをしていないことを認めることができる。して入ると、相手方は抗告人に対し、自身の生活費のほか、長女喜美子の生活費を併せた婚姻から生ずる費用の分担に関する審判を求める旨を申立てているのであり、しかも右のごとき審判を求めることは何ら妨げないところであつて、右申立を認容した原審判は相手方の求める申立事項を超えてした違法はない。これに反する抗告人の所論は、その余の点につき判断するまでもなく、失当たるを免れない。」

 

・子が成年に達していたものの貧血で通常の就職稼働はできない状態であったことに照らし、未成熟子にあたるとした事例(福岡家小倉支部審判昭和47・3・31家月25・4・64)。

 

2 成人した子が未成熟子に当たる場合(在学中や進学を目指して浪人中の例)

 子が成人した場合であっても、未成熟子にあたり、養育費を支払う義務が生じる場合がある。一例として、子が進学して成人後も学業を続けている場合が挙げられる。

 

3 成人した子が未成熟子に当たる場合(持病があり、かつ浪人中の例)

 子が未成熟子に当たるかは、諸般の事情を総合的に考慮して判断される。

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