死後事務委任契約書(サンプル)
はじめて弁護士に相談しようとされる方のことを考えた丁寧・親身な京都の法律事務所です。
京都市の弁護士馬場充俊は交通事故・介護事故、相続問題、離婚・男女問題、借金・債務整理、債権回収、刑事事件、ネットトラブルに関するご相談(書込削除や発信者特定)、不動産トラブル、成年後見制度、中小企業顧問などを受けています。お急ぎの事案にも可能な限り迅速・丁寧に対応いたします。お気軽にご相談ください。

委任契約及び任意後見契約並びに死後事務委任契約公正証書

本職は、委任者●(以下「甲」という。)並びに受任者●(以下「乙」という。)(及び同●(以下「丙」という。)※予備的受任者を置く場合)の嘱託により、次の法律行為に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。

 

(生前の)委任契約

 

(契約の趣旨)
第1条 甲及び乙、並びに甲及び丙は、本日、以下のとおり各委任契約(以下「本委任契約」という。)を締結する。
2 甲及び乙、並びに甲及び丙の本委任契約の関係は、乙がまず以下の条項のとおり本委任契約の事務を執り行い、乙が甲の死亡以前に死亡し又は疾病等の理由により、その事務を執り行うことができない場合、若しくは甲乙間の契約が解除されている場合に、丙が以下の条項のとおりその事務を執り行うものとする。

 

(任意後見契約との関係)
第2条 本委任契約締結後に、甲が精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況になった時は、乙及び丙は、家庭裁判所に対し、任意後見監督人の選任の請求をしなければならない。
2 本委任契約は、第2の任意後見契約について任意後見監督人が選任され、同契約の効力が生じた時に終了する。
3 乙及び丙は、本委任契約に定める各事務を通じて、家庭裁判所に対して、任意後見監督人の選任を請求するべきか否かを常に判断しなければならない。

 

(委任事務の範囲)
第3条 甲は、乙に対し、甲の生存中における次の事務を委任又は委託し、その事務のため代理権を付与する。その報酬は、各号末尾括弧書きのとおりとする。
(1)預金通帳、保険証券等の貴重品の管理(1月当たり金●円)
(2)限度額適用認定証交付申請に関する一切の権限(1回当たり金●円)
(3)甲が疾病又は事故により緊急事態に陥った場合における、医療契約及び病院への入院に関する契約の締結、変更、解除及び費用の支払い等の事務(事務執行1回当たり金●円)
(4)甲の入院中における甲の住居の維持管理(1月当たり金●円)
(5)甲が海外その他遠隔地で、疾病又は事故により緊急事態に陥り、自力での移動又は意思表示をすることが困難になった場合における、帰国等の手配、身元引き取りに関する一切の事務(事務執行1回当たり、国内の場合金●円、海外の場合金●円)
(6)前各号の目的を達成するために必要な範囲内での金融機関との全ての取引(1回当たり金●円)
(7)医療、介護、不動産の売買、賃貸借等の重要な契約に関する情報収集及び契約締結の際の同席(1回当たり金●円)
(8)医療機関で診察を受ける際の付添い、同席(1回当たり金●円)
2 乙及び丙は、前項の事務処理のため預金通帳等の貴重品の引渡を受けた時は、甲に対し、預かり証を交付する。

 

(定期的な連絡・面接)
第4条 乙及び丙は、甲の安否、生活状況、健康状態につき、電話、電子メール等で定期的に甲と連絡を取り、これを確認する。連絡の頻度は週1回を上限とし、無報酬とする。
2 乙及び丙は、前項の連絡を補完するため、定期的に甲と面接するものとする。面接の頻度は月●回を上限とし、報酬は1回当たり金●円とする。
3 甲、乙、丙は、前2項の連絡を補完するために、警備会社等の第三者が提供する安否確認サービスを利用し、甲の安否確認を行う。導入するサービスの内容については、甲及び乙、又は甲及び丙の協議により決定するものとする。
4 連絡、面接等の具体的な日時、方法及び回数は、甲乙丙の協議により、適宜調整する。
5 甲が定期連絡に応答しない場合、自然災害が生じた場合など、甲の安否確認のために必要があると認められるときは、前4項の規定にかかわらず、乙及び丙は、甲の自宅又は居所等を訪問することができる。この場合の報酬は一回当たり金●円とする。

 

(費用負担)
第5条 乙及び丙は、前2条の事務を遂行するために必要と認められる費用を支出した時、甲に対して、支出した費用の償還を請求することができる。ただし、この費用償還再建には、利息を付さないものとする。
2 乙及び丙が甲の財産を管理しているときは、乙及び丙はその管理する財産の中から前項の費用を支出することができる。

 

(緊急連絡先等への登録)
第6条 甲は、不動産賃貸借契約、医療契約、入院契約等の締結の際、緊急連絡先または身元引受人として乙又は丙を指定し、その氏名又は名称、連絡先等の情報を、契約の相手方に通知することができる。
2 前項の指定を行う際、甲は、乙又は丙から事前に承認を得なければならない。

 

(契約の変更)
第7条 甲又は乙若しくは丙は、いつでも本委任契約の変更を求めることができる。
2 経済情勢の著しい変化、貨幣価値の変動等の事由が生じた場合、甲又は乙若しくは丙は、委任事務報酬改定のための協議を相手方に求めることができるものとし、申出を受けた相手方は、これに応じなければならない。
3 本委任契約の変更は、公正証書によって行う。ただし、変更の内容が軽微なものであって、かつ、甲及び乙、又は甲及び丙が合意した時は、私署証書によってもすることができる。なお、本委任契約の変更を私署証書によって行うときは、証書の作成日から14日以内に、公証役場において確定日付の付与を受けるものとする。

 

(契約の解除)
第8条 甲及び乙、又は甲及び丙は、本委任契約を合意により解除することができる。
2 甲又は乙若しくは丙は、次の事由が生じたときは、本委任契約を解除することができる。
(1)甲が第3の死後事務委任契約第11条記載の生命保険契約を解約し、又は銀行預金の一部又は全部を引き出し、又はこれを解約し、乙又は丙が後記執行費用を受領することが出来なくなったとき。
(2)甲又は乙若しくは丙が相手方の信頼を破綻させる行為をしたとき。

 

(契約の終了)
第9条 本委任契約は、第2条第2項に定める場合(甲の任意後見監督人が選任された場合)のほか、次の場合に終了する。
(1)甲が死亡し、又は法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受け、若しくは破産手続開始決定を受けたとき。
(2)乙が死亡し又は法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受け、又は任意後見監督人の選任がされ、若しくは破産手続開始決定を受けたとき(甲乙間の契約が終了する。)。
(3)丙が破産手続き開始決定を受け、又は解散したとき。 
(4)本委任契約が解除されたとき。

 

(損害賠償)
第10条 乙又は丙の責めに帰すべき事由(乙の死亡又は法定後見開始の審判、任意後見監督人の選任を除く。)により本委任契約が終了した時は、乙及び丙は、甲に対し、甲が本委任契約締結のために負担した費用を賠償する。

 

(秘密保持義務)
第11条 乙及び丙は、本委任契約の締結にあたり知り得た甲の個人情報を、委任事務遂行上必要な範囲又は甲に許諾を得た範囲を超えて第三者に漏らしてはならない。

 

(免責・善管注意義務)
第12条 乙及び丙は、本委任契約の条項に従い、善良な管理者の注意を怠らない限り、甲に生じた損害について責任を負わない。

 

(復委任)
第13条 乙及び丙は、適宜復受任者又は代理人を選任して、本委任契約に基づく事務を執り行わせることができる。

任意後見契約

(契約の趣旨)
第1条 甲は、乙及び丙に対し、本日、以下のとおり、任意後見契約に関する法律に基づき、精神上の障害により事務を弁識する能力が不十分な状況における甲の療養看護及び財産の管理に関する事務(以下「後見事務」という)を委任し、乙及び丙は、これを受任する(以下「本任意後見契約」という。)。
2 甲及び乙、並びに甲及び丙の本任意後見契約の関係は、乙がまず以下の条項のとおり本任意後見契約の事務を執り行い、乙が甲の死亡以前に死亡し又は疾病等の理由により、その事務を執り行うことができない場合、若しくは甲乙間の契約が解除されている場合に、丙が以下の条項のとおりその事務を執り行うものとする。

 

(契約の発効)
第2条 本任意後見契約は、任意後見監督人が選任されたときからその効力を生ずる。
2 本任意後見契約締結後、甲が精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況となった時は、乙又は丙は、家庭裁判所に対し、任意後見監督人の選任の請求をしなければならない。
3 本任意後見契約の効力発生後における甲及び乙、並びに甲及び丙の間の法律関係については、本任意後見契約に定めるもののほか、任意後見契約に関する法律および民法その他の法令の定めに従う。

 

(後見事務の範囲)
第3条 甲は、乙及び丙に対し、別紙代理権目録記載の後見事務(以下「本後見事務」)を委任し、その事務処理のための代理権を付与する。

 

(貴重品の管理方法)
第4条 乙及び丙は、預貯金通帳、銀行員、年金証書、キャッシュカード、クレジットカード、その他重要な証書等を、甲から引き渡しを受けて保管する。
2 乙及び丙は、甲から前項の物品の引渡を受けた時は、甲に対し預かり証を交付し、善良な管理者の注意をもって保管するものとする。
3 乙及び丙は、本後見事務を処理するために必要な範囲で、第1項の物品を使用するほか、甲宛の郵便物その他の通信を受領し、本後見事務に関連すると思われるものを開封することができる。

 

(財産の管理方法の制限)
第5条 甲が所有する財産のうち、株式、投資信託等の投機用資産は、本委任後見契約の効力が生じた後、速やかに換価処分を行うものとし、乙及び丙は、甲の財産を投機目的で運用しない。

 

(甲の意思の尊重及び配慮義務)
第6条 乙及び丙は、本後見事務を処理するにあたっては、甲の意思を最大限尊重し、かつ、甲の身上に配慮するものとする。そのため、1カ月に1回をめどとして面接を行うものとし、その他医療・介護関係者から、甲の心身の状況について適宜報告を受けるなどして、甲の生活状況及び健康状態の把握に努めなければならない。

 

(費用負担)
第7条 本後見事務を行うために必要な費用は、甲の負担とし、乙及び丙は、自己が管理する甲の財産の中から、これを支出することができる。

 

(報酬)
第8条 甲は、本委任後見契約の効力発生後、乙又は丙に対し、本任意後見契約の報酬として毎月末日限り金●万円を支払うものとし、乙又は丙は、毎月末、自己が管理する甲の財産の中からその支払いを受けることができる。
2 甲の生活状況又は健康状態の変化、経済情勢の著しい変化、貨幣価値の変動等、既に定めた報酬額が不相当になった場合には、甲及び乙または丙は、任意後見監督人と協議のうえ、これを変更することができる。
3 前項の場合において、甲がその意思を表示することができない状況にあるときは、乙及び丙は、任意後見監督人の書面による同意を得てこれを変更することができる。
4 前2項の変更契約は、公正証書によってしなければならない。

 

(報告義務)
第9条 乙及び丙は、甲及び任意後見監督人に対し、6カ月ごとに、本後見事務に関する次の事項について書面で報告する。
(1)乙又は丙が管理する甲の財産の管理状況
(2)甲を代理して取得した財産の内容及び取得の時期。相手方、並びに甲を代理して処分した財産の内容及び処分の時期・理由・相手方
(3)甲を代理して受領した金銭及び支払った金銭の状況
(4)甲の生活および療養看護につき行った金銭の状況
(5)費用の支出及び支出した時期・理由・相手方
(6)報酬の収受
2 乙及び丙は、甲又は任意後見監督人の請求があるときは、速やかにその求められた事項につき報告する。

 

(契約の解除)
第10条 甲又は乙若しくは丙は、任意後見監督人の選任前は、いつでも、公証人の認証を受けた書面によって本任意後見契約を解除することができる。
2 甲又は乙若しくは丙は、任意後見監督人選任後は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、本任意後見契約を解除することができる。
3 前2項により本任意後見契約が解除された場合、乙又は丙は、その管理する物品を直ちに甲に返還するとともに、後見事務の顛末を甲及び任意後見監督人に報告するものとする。

 

(契約の終了)
第11条 本任意後見契約は、次の場合に終了する。
(1)甲が死亡し、又は任意後見監督人に選任後に法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受け、若しくは破産手続き開始決定を受けたとき。
(2)乙が死亡し、又は法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受け、若しくは破産手続開始決定を受けたとき(甲乙間の契約が終了する。)。
(3)丙が死亡し、又は法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受け、若しくは破産手続開始決定を受けたとき(甲丙間の契約が終了する。)。
(4)乙又は丙が任意後見人を解任されたとき。
(5)本任意後見契約が解除されたとき。
2 任意後見監督人選任後に前項各号の事由が生じた場合、甲又は乙若しくは丙は、速やかにその旨を任意後見監督人に報告するものとする。
3 任意後見監督人選任後に第1項各号の事由が生じた場合、甲又は乙若しくは丙は、速やかに任意後見契約の終了の登記を申請しなければならない。

 

代理権目録
※別紙として公正証書末尾に添付する
1 金融機関、証券会社及び保険会社との全ての取引に関する事項
2 定期的な支出を要する費用の支払い及びこれに関する諸手続きに関する事項
3 定期的な収入の受領に関する事項
4 生活に必要な物品の購入等に関する事項
5 住居及び動産の保存、管理に係る契約の締結及び費用の支払いに関する事項
6 銀行印、預貯金通帳、年金証書、各種キャッシュカード、その他重要な証書等の保管および各事項の事務処理に必要な範囲内におけるこれらの使用に関する事項
7 住民票、戸籍事項証明書(戸籍謄抄本)、登記事項証明書(登記簿謄本)、その他の行政機関の発行する証明書の請求及び受領に関する事項
8 医療契約、入院契約、介護契約その他の福祉サービス利用契約、福祉関係施設入退所契約の締結・変更・解除及び費用の支払い等に関する事項
9 要介護認定の申請及び認定に関する承認または審査請求に関する事項
10 遺産分割協議、相続放棄、限定承認に関する事項
11 訴訟行為に関する事項(民事訴訟法第55条第2項の特別授権事項の受験を含む。)
12 以上の各事務に関する復代理人の選任、事務代行者の指定に関する事項
13 以上の各事項に関連する一切の事項

死後事務委任契約

(契約の趣旨)
第1条 甲は、乙及び丙に対し、本日、以下のとおり、甲が死亡した後の事務を委任し、乙及び丙は、これを受任する(以下「本死後事務委任契約」という。)。
2 甲及び乙、並びに甲及び丙の本死後事務委任契約の関係は、乙がまず以下の条項のとおり本死後事務委任事務を執り行い、乙が甲の死亡以前に死亡し又は疾病棟の理由により、その事務を執り行うことができない場合、若しくは甲乙間の契約が解除されている場合に、丙が以下の条項のとおりその事務を執り行うものとする。
(夫婦等と契約する場合の停止条件)
第1条 甲は、乙及び丙に対し、本日、以下のとおり、甲が死亡した後の事務を委任し、乙及び丙は、これを受任する(以下「本死後事務委任契約」という。)。
2 本死後事務委任契約の関係は、乙がまず以下の条項のとおり同委任契約の事務を執り行い、乙が甲の死亡以前に死亡し又は疾病等の理由により、その事務を執り行うことができない場合、若しくは第15条記載の事由により甲乙間の契約が解除された場合に、丙が以下の条項のとおりその事務を執り行うものとする。
3 本死後事務委任契約は、次の各号の条件のいずれかが成就するときまでその執行を停止するものとする。
(1)甲の妻●が甲の死亡以前に死亡したとき
(2)前記●(甲の妻)に対し、法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判若しくは任意後見監督人選任の審判がされたとき
(3)前記●(甲の妻)が甲と離婚したとき
4 前項の条件成就前においても、乙及び丙は、前記●(甲の妻)の求めに応じて第3条の死後事務の一部又は全部を執り行うことができる。

 

(委任者の死亡による契約の効力)
第2条 本死後事務委任契約は、甲が死亡した場合においても終了せず、甲の相続人は、委任者である甲の本死後事務委任契約上の権利義務を承継する。
2 前項の場合において、甲の相続人は、履行負担が過重であるなど、契約を履行させることが不合理と認められる特段の事由がある場合を除いて、本死後事務委任契約を解除することはできない。

 

(委任事務の範囲)
第3条 甲は、乙及び丙に対し、甲の死亡後における次の事務(以下「本死後事務」という。)を委任する。その報酬は、各号末尾括弧書きのとおりとする。
(1)甲の遺体安置場所への出張、遺体の引き取り及び搬出の手配、死亡診断書(死体検案書)の受領、死亡届の提出及び火葬許可申請、手荷物及び現金その他貴重品の収受など、死亡直後に行う緊急対応(金●万円)
(2)葬儀、火葬に関する事務(金●万円)
(3)遺骨の埋蔵・収蔵に関する事務(※又は遺骨の散骨に関する事務)(金●万円)
(4)甲の亡父・●の遺骨の改装手続に関する事務
(5)勤務先企業・機関の退職に関する事務(※又は所属する職能団体の退会に関する事務)(金●万円)
(6)行政機関等発行の資格証明書等の返納手続及び受給者証等の返納手続(1件当たり金●万円)
(7)医療契約・介護施設利用契約等の解約に関する事務(金●万円)
(8)不動産賃貸借契約の解約(不動産賃貸借契約に付随する火災保険、家賃保証契約の解約を含む。)及び住居明渡しまでの管理(金●万円)
(9)甲の住居内の遺品整理(金●万円)
(10)電気、ガス、水道等の供給契約、固定電話(電話加入権)・携帯電話・インターネット接続サービス等の通信契約、NHK・衛星放送・ケーブルテレビ等のテレビ放送受信契約、新聞・雑誌・メールマガジン等の定期購読契約、クレジットカード利用契約、生命保険・医療保険・損害保険・個人年金保険等の保険契約、共済等の保険種類契約、習い事等の受講契約、その他各種契約の解約鉄続き(1契約ごとに金●万円)
(11)住民税、国民健康保険料、固定資産税等の租税公課の納税手続き(1税目当たり金●万円)
(12)SNS、メールアカウント等の削除(1アカウントごとに金●万円)
(13)甲の指定する関係者(甲の相続人、受遺者を除く。)への死亡通知および各種郵便物の郵送停止手続き(1件ごとに金●円)
(14)前各号に関する費用の支払
2 前項第1号の報酬は、甲が出張中または旅行中等に住所地以外の遠隔地で死亡した場合、国内のときは金●万円、海外の時は金●万円を加算する
3 乙及び丙は、第1項各号の事務に伴い、敷金、支払い給与、各種還付金、現金その他貴重品等、甲の相続財産を受領した時は、速やかにこれを甲の遺言執行者に引き渡すものとする。
4 乙及び丙は、第1項各号の事務執行のため、甲宛に送付される信書の開封及び閲覧をすることができる。

 

(葬儀・火葬(宗教儀礼を行う場合)
第4条 甲の葬儀は、次の各号のとおり行う。
(1)甲の遺体搬送及び葬儀の施行は●葬儀社に委託する。
(2)葬儀の規模は、参列者10名程度の家族葬方式とし、通夜を執り行わず、告別式のみを行う。
(3)甲は、乙及び丙に対して、本死後事務委任契約締結後、甲の葬儀に参列してもらうことを希望する者の連絡先等の目録を交付するものとし、甲の死亡後、乙及び丙は、目録に記載の者に連絡を取り、会葬の案内をする。(4)葬儀の日程は、前項の参列者の都合、希望を考慮の上、乙及び丙が決定する
(5)会場は、●(住所:●、事業主体:●)の施設を借りて行う
(6)読経等の祭祀典礼は、●の住職に依頼するものとし、同寺院の宗旨宗派の定める方式に従う
(7)乙及び丙は、●に対し、葬儀法要の布施として金●万円を支払うものとする
(8)乙及び丙は、甲の葬儀の参列者から香典その他の金品を受領しないものとする。
2 甲の死因、遺体の損傷などの要因により公衆衛生上の問題がある場合、甲が国内遠隔地又は海外で死亡し遺体の搬送費用が著しく高額になる場合など、やむを得ない事由がある場合、乙及び丙は、葬儀法要に先立ち、甲の遺体を火葬することができる。
3 前項に定めるもののほか、やむを得ない事由があるときは、乙及び丙の裁量により、必要最小限の範囲で第1項各号に定める葬儀方式を変更し、葬儀社を変更することができる。
(葬儀・火葬(参列者なしの直葬の場合))
第4条 甲の葬儀は、読経等の宗教儀礼を執り行わず、火葬のみを行う直送方式とする。
2 前項の葬儀の参列者は、乙及び丙のみとし、甲の親族、知人等には会葬の案内を行わないものとする。
3 遺体の搬送及び葬儀の施行は、●葬儀社に委託する。ただし、やむを得ない事由があるときは、乙及び丙の裁量により葬儀社を変更することができる。
4 乙及び丙は甲指定の副葬品を棺に納め、甲の遺体とともに火葬する(ただし、火葬の安全面、環境面で支障が生じるものとして火葬場で禁止されているものを除く。)。

 

(遺骨の埋蔵・収蔵(永代供養墓への埋蔵))
第5条 甲の遺骨は、●寺(住所:●、事業主体:●)の合祀墓に埋蔵する。
2 乙及び丙は、●寺に対し、所定の埋蔵料のほか、埋蔵時法要の布施として金●万円を支払う。
(納骨堂の収蔵)
第5条 甲の遺骨は、●陵苑(住所:●、事業主体:●)の堂内墓(区画番号:●)に●回忌まで収蔵した後、●陵苑の合祀墓に収蔵する。
2 乙及び丙は●陵苑に対し、所定の収蔵料、●回忌までの管理費を支払う。
(生前契約が困難な場合)
第5条 甲の遺骨は、京都市●区内にある永代供養墓又は納骨堂(埋蔵又は収蔵の後、管理費等の費用の支払いが不要のもの)に埋蔵又は収蔵する(以下、「埋蔵等」という。)。
2 埋蔵等の費用は金●万円を限度とし、乙及び丙は、同予算内で契約可能な永代供養墓又は納骨堂を選定する。
3 ●区内において前項の限度額に見合う永代供養墓又は納骨堂が選定できない場合、乙及び丙は京都市内その他の場所から、これを選定することができる。
4 前3項に従い選定した永代供養墓又は納骨堂の運営主体が宗教法人である場合は、読経等、同法人の定める埋蔵等の際の祭祀典礼の様式に従うものとする。
(遺骨の散骨(チャーター散骨の場合))
第5条 甲の遺骨は、粉骨処理を行ったうえ、●沖にて海洋散骨を行う。
2 散骨の施行は、海洋散骨事業者の手配する船舶を貸切る個人チャーター方式とし、乙及び丙並びに甲の指定する関係者立会いのもと行う。
3 遺骨の粉骨処理及び散骨の施行を依頼する海洋散骨事業者は、株式会社〇とする。ただし、やむを得ない事由があるときは乙及び丙の裁量により、海洋散骨事業者を変更することができる。
(委託散骨の場合)
第5条 甲の遺骨は、粉骨処理を行った上、●沖にて海洋散骨を行う。
2 遺骨の粉骨処理及び散骨の施行は、海洋散骨事業者に委託するものとし、乙、丙及びその他関係者の立ち合いを要しない。
3 散骨の施行を依頼する海洋散骨事業者は、株式会社●とする。ただし、やむを得ない事由があるときは乙及び丙の裁量により、海洋散骨事業者を変更することができる。

 

(遺骨の改葬手続(墓じまい))
第6条 ●霊園内に埋蔵されている甲の亡父・●の遺骨は、同園内の合祀墓に改葬する。
2 前項の改装に伴い、●家の墓所(区画番号;●)は閉眼供養を行った上で墓石を撤去し、使用権を●霊園に返還する。

 

(勤務先企業・機関の退職手続)
第7条 甲が在職中に死亡した場合、乙及び丙は、未払い給与の受領、社員証・鍵等の貸与物の返還、勤務先に在る私物の引き取りのほか、健康保険等の各種資格喪失手続き、弔慰金等各種給付金の支給手続きなど、勤務先企業・機関の担当者と協議・連絡を行い、甲の死亡退職に伴う諸手続きのために必要な事務を執り行う。

 

(敷金等の清算)
第8条 甲を賃借人とする不動産賃貸借契約の解約において、甲が賃貸人に預け入れた敷金・保証金等の債権がある場合は、これを、遺言執行者への引渡に先立ち、未払い賃料、原状回復費の支払いに充てることができる。

 

(遺品整理)
第9条 甲の遺品(自宅等居宅内にある家財道具等の動産)は、次の各号のとおり取り扱う。
(1)換価可能な物品については、適宜換価手続きを行い、甲の遺言執行者に引き渡す。ただし、当該換価益は、遺言執行者への引渡に先立ち、第2号ないし第5号の事務処理費用に充てることができる。
(2)仏壇、位牌等の祭具がある場合は、●寺院(住所:●)に引渡し、閉眼供養等の宗教儀礼を行ったうえ、処分する。
(3)携帯電話、パソコン、デジタルカメラ等のデジタル機器がある場合は、データの記録された記録媒体、ハードディスク等の破砕、又は専門業者によるデータ消去作業を行った上、処分を行う
(4)●については、甲が別居指定する者に譲渡する。ただし、同人が受領しなかった物品については、廃棄処分を行う。
(5)前各号以外の遺品については、遺品中に含まれる個人情報の取扱いに十分配慮のうえ、廃棄処分を行う。

 

(SNSのアカウント削除(運営事業者に削除申請を行う場合))
第10条 甲は、乙及び丙を、甲のFacebookアカウントの追悼アカウント管理人に指定する。乙及び丙は、甲の死亡後、Facebook社にアカウント削除申請を行う。
(SNSのアカウント削除(運営事業者に削除申請を行う場合))
第10条 乙及び丙は、甲の死亡後、Twitter社に甲のTwitterアカウント削除申請を行う。
2 Twitter社の判断により、アカウント削除申請が承認されなかった場合、乙及び丙はその責任を負わないものとする。
(SNSのアカウント削除(受任者が委任者のID、パスワードを利用する場合))
第10条 甲の利用する●及び●のアカウント削除は、乙及び丙が、甲のID(利用者を識別するための符号)及びパスワードを利用し、甲のアカウントに直接ログインする方法で行う。
2 甲は、甲の死亡後、前項のID・パスワードを乙及び丙が容易に知覚できるよう、その管理方法に配慮しなければならない。

 

(執行費用の授受(預託金方式))
第11条 甲は乙又は丙に対し、本死後事務委任契約締結後、本死後事務を処理するための費用及び報酬(以下、「執行費用」という。)に充てるために、金●万円を預託する。
2 乙又は丙は甲に対し、執行費用について預かり証を交付するとともに、1年ごとにその管理状況につき報告する。
3 執行費用には利子をつけない。
4 乙及び丙は、本死後事務委任契約が解除された場合、甲に対し、速やかに執行費用を返還する。
5 乙及び丙が甲に先立って死亡した場合、乙及び丙の相続人は、甲に対する執行費用返還義務を承継する。乙及び丙は、この場合に備え、自身の相続人が必要な事務を執り行うことができるよう、必要な措置を講じるものとする。
(執行費用の授受(信託方式))
第11条 甲は、本死後事務委任契約締結後、本死後事務を処理するための費用及び報酬(以下、「執行費用」という。)に充てるため、乙又は丙を委託者、●信託株式会社を受託者とする信託口座に金●円を入金する。
2 乙又は丙は甲の死亡後、●信託株式会社に執行費用の交付指図を行い、これを受領する。
(執行費用の授受(保険金方式))
第11条 甲は、本死後事務を処理するための費用及び報酬(以下、「執行費用」という。)に充てるため、甲を契約者兼被保険者として●保険株式会社と締結した生命保険契約(契約日●、証券番号●)の死亡保険金受取人を乙又は丙に変更する旨の遺言を行い、甲の死亡後、乙又は丙にこれを受領させる。
2 乙及び丙はまず、前項の死亡保険金を執行費用に充て、それでもなお必要な金額に満たないときは、甲の預貯金その他の相続財産を執行費用に充てることができる。
(執行費用の授受(委任者管理方式※清算型遺言の活用))
第11条 甲は、乙及び丙が本死後事務を処理するために必要な費用及び報酬(以下、「執行費用」という。)に充てるため、甲名義の預金口座(●銀行●支店、普通預金、口座番号:●)に金●万円を預金する。
2 乙及び丙は、甲の死亡後、前項の預金を含む甲の相続財産から執行費用の支払いを受けるものとし、この生前においては、これを受領しない。また、当該預金に係る預金通帳・キャッシュカード等は、甲の生前においては、甲の手許で管理するものとする。ただし、第2の任意後見契約の効力が生じた場合は、この限りではない。
3 甲は、第1項の預金口座の残高が、乙及び丙が甲の死亡後に受領する執行費用相当額である金●万円を下回ることのないように管理しなければならない。

 

(執行費用の清算(残預金を相続財産として処理する場合))
第12条 本死後事務が終了した時、乙及び丙は、前条の預貯金から執行費用を控除した後、残預金がある場合、これを遺言執行者に引き渡す。
(保険金方式を採用する場合)
第12条 本死後事務が終了した時、乙及び丙は、前条第1項の死亡保険金から執行費用を控除し、残預金がある場合は、これを甲の相続人に引き渡す。
(残預金を全て報酬とする場合)
第12条 本死後事務終了後、前条第1項の死亡保険金から執行費用を控除してもなお残余金がある場合は、これを乙及び丙の報酬とする。

 

(報告義務)
第13条 乙及び丙は、本死後事務の処理が終了した後、甲の相続人に対し、本死後事務に関する次の事項につき書面で報告する。
(1)本死後事務につき行った措置
(2)費用に支出及び使用状況
(3)報酬の収受

 

(契約の変更)
第14条 甲又は乙若しくは丙は、いつでの本死後事務委任契約の変更を求めることができる。
2 経済情勢の著しい変化、貨幣価値の変動等の事由が生じた場合、甲又は乙若しくは丙は、委任事務報酬改定のための協議を相手方に求めることができるものとし、申出を受けた相手方は、これに応じなければならない。
3 本死後事務委任契約の変更は、公正証書によって行う。ただし、変更の内容が軽微なものであって、かつ、甲及び乙又は甲及び丙が合意した時は、私署証書によってもすることができる。なお、本死後事務委任契約の変更を私署証書によって行う時は、証書の作成日から14日以内に、公正証書において確定日付の付与を受けるものとする。
4 第2の任意後見契約の効力が生じた場合、乙及び丙は、任意後見監督人の同意を得て、本死後事務委任契約の変更をすることができる。

 

(契約の解除)
第15条 甲及び乙または甲及び丙は、本死後事務委任契約を合意により解除することができる。
2 甲又は乙若しくは丙は、次の事由が生じた時は、本死後事務委任契約を解除することができる。
(1)甲が第11条記載の生命保険契約を解約し、又は銀行預金の一部又は全部を引き出し、又はこれを解約し、乙又は丙が執行費用を受領することができなくなったとき
(2)乙が死亡し、又は法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受け、任意後見監督人選任の審判を受け、若しくは破産手続開始決定を受けた時(甲乙間の契約が解除される。)。
(3)丙が死亡し、又は法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受け、任意後見監督人選任の審判を受け、若しくは破産手続開始決定を受けた時(甲丙間の契約が解除される。)。
(4)甲又は乙若しくは丙が相手方の信頼を破綻させる行為をしたとき。

 

(契約の終了)
第16条 本死後事務委任契約は、第12条の執行費用の清算及び第13条の事務報告が終了した時に終了する。

 

(損害賠償)
第17条 乙又は丙の責めに帰すべき事由(乙又は丙の死亡又は法定後見開始の審判、任意後見監督人の選任を除く。)により本死後事務委任契約が解除されたときは、乙及び丙は、甲に対し、甲が本死後事務委任契約締結のために負担した費用を賠償する。

 

(秘密保持義務)
第18条 乙及び丙は、本死後事務委任契約の締結にあたり知り得た甲の個人情報を、委任事務遂行上必要な範囲又は甲に許諾を得た範囲を超えて第三者に漏らしてはならない。

 

(免責)
第19条 乙及び丙は、本死後事務委任契約の条項に従い、善良な管理者の注意を怠らない限り、甲に生じた損害について責任を負わない。

 

(復委任)
第20条 乙及び丙は、適宜復受任者又は代理人を選任して、本死後事務委任契約に基づく事務を執り行わせることができる。

馬場総合法律事務所

弁護士 馬場充俊

〒604-0024 

京都市中京区下妙覚寺町200衣棚御池ビル2階

TEL:075-254-8277 FAX:075-254-8278

URL:https://www.bababen.work