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追加変更工事代金の請求

追加変更工事代金の請求

工事請負契約において建築業者が施主に請負代金を請求するには金額を合意しなければならないのが原則です。
しかし、途中で工事の追加変更が出る事は多くあります。この場合も、追加代金に関する合意を口頭でするのではなく契約書などで合意しないと後々トラブルになることがあります。いちいち書類を取り交わすことはむしろ少ないと思います。
このような場合、追加変更代金は施主に請求できないのでしょうか。

 

商法512条という条文があります。

商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。

 

令和元年 5月10日 東京地裁判決

本件追加工事は、その必要性、原告会社の求意見及び被告会社の同意、適切性及び相当性がいずれも認められず、本件約款における「臨機の処置」の要件を満たさないから、原告会社は同約款の規定に基づく請負代金請求権を有しないとし、また、原告会社と被告会社との間で合意した本件請負契約の趣旨に反する本件追加工事の施工は、客観的に見て原告会社が被告会社のためにする意思をもってしたものとは認められないとして、商法512条に基づく報酬請求権も否定した。

 

平成27年 2月24日 東京地裁判決

商法512条は、委任(準委任)、寄託、事務管理等などにより他人のためにある行為をしても、民法上は、特約のない限り、報酬を請求することができないとされているのに対し、商人の行為の有償性を規定した例外規定であるところ、原被告間においては、委任(準委任)や寄託といった契約関係は存在せず、原告が被告の了承を得ずに追加変更工事を行ったことを被告のための事務管理と認めるのも困難であるから、本件に商法512条が適用される余地はないというべきである。

 

平成25年 1月18日 東京地裁判決

第4次下請会社である原告らが、第1次下請会社に本件元請契約に係る本件工事の発注をした被告に対し、被告から追加工事を請け負ったとして、請負契約に基づき、または、被告の指示に従って被告のために本件追加工事をしたとして、商法512条に基づき、請負代金又は代金相当額の支払を求めた事案において、原告らと被告との間では、本件追加工事についての請負契約の成立を認めることができず、同工事は原告らが被告のためにしたものであるともいえないとして、請求を棄却した事例

 

令和元年11月29日 東京地裁判決

  (1) 前記1の認定事実(以下単に「認定事実」という。)(1)及び(2)並びに前提事実(2)によれば,原告が本件工事1を行い,これを完成させたこと,原告が遅くとも平成28年1月頃までに被告に対し本件請書1を交付したこと,原告が請負代金額や各月の出来高について記載のある工事出来高調書の送付を受けて,これに基づく金額の請求書を被告に交付していたこと,原告が本件請書1の金額を約100万円上回る金銭の支払を受けたこと等の事実が認められるから,本件工事1に係る請負契約は,その代金額が本件請書1記載の1億6651万9800円(税込み)であると認められる。
 原告は,本件工事1について定額の工事代金を予定できるものではない,本件請書1について納得していないがやむなく押印したものである等と主張して,上記代金額の認定を争うものであり,証拠(甲23,32,原告代表者)には同主張に沿う部分がある。しかしながら,本件請書1の記載内容や本件工事1の経過に照らし,同各証拠は採用することができない。
・・・
  (3) 原告は,いわゆる追加分として費用が現実にかかったとする証拠(甲12ないし20(枝番号省略),甲22の1ないし10,甲32)を挙げて,本件工事1について商法512条に基づき,社会通念上妥当と認められる1404万円の報酬請求権を有する旨主張する。
 しかしながら,前記(1)のとおり,本件工事1に係る請負契約はその代金額を1億6651万9800円(税込み)として成立しているのであり,上記各証拠によって,原告が本件工事1の本来の内容の範囲外である行為をしたとまで認めることはできない。原告の上記主張は採用することができない。

そもそも追加性が認められないとした裁判例です

 

平成31年 1月31日 東京地裁判決

 4 争点(3)・商法512条に基づく相当報酬の請求について
 原告は,原被告間に追加工事に関する合意がなくても,商法512条に基づき相当な報酬を請求することができる旨主張する。
 しかしながら,この点に関する証拠は証人Dの供述及び陳述書(甲13及び17)しかない上,他方で,被告のFは,査定において,原告の主張に係る工事は,原告側の施工ミス又は判断ミスによるものと判断していること(証人F及び乙16)からすると,上記の工事内容が注文者である被告にとって有用な工事であることを認めるには足りない。
 したがって,この点に関する原告の主張には理由がない。

工事内容が注文者にとって有用性があることが必要です。注文者とのやり取りが客観的に明らかでないと立証できないのでは?

 

これとの対比で

平成29年11月14日 東京地裁判決

追加工事3については,本工事の見積段階から予定されていた内容の修理工事でもあり,被告の意思に沿う工事であったことは明らかであるから,商法512条により,原告は,被告に対し,相当な報酬の支払を求め得るところ,報酬として相当な額は,9月25日付け見積書記載のとおりと認められる。

 

平成27年10月14日 東京地裁判決

3 商法512条の適用
 また,原告は,予備的に,商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは相当の報酬を請求することができるとする商法512条の適用を主張する。しかし,本件建物に関する工事を巡る経過は,上記認定事実のとおりであって,原告が請求の対象とする諸工事は,被告の意向に反し進められたもので,被告にとって仕事の内容さえも特定されていない本件のような状況においては,「他人のために行為をしたとき」に該当すると認めることはできないと考えられる上,報酬の請求額が相当な価額であることについても,これを認めるに足りる証拠はない。
 したがって,いずれにせよ商法512条に基づく報酬の請求も理由がない。

 

平成29年12月 6日 東京地裁判決

  (2) 商法512条
 商法512条は,商人がその営業の範囲内の行為をすることを委託されて,その行為をした場合において,その委託契約に報酬についての定めがないときは,商人は委託者に対し相当の報酬を請求できるという趣旨に解すべきである(最高裁昭和43年4月2日判決・民集22巻4号803頁)。
 前記判断のとおり,そもそも原告と被告Y2歯科医院の間に契約締結を認めるに足りる証拠はないから,本件本体工事に関し,両者間において,商法512条が問題となることはない。原告の主張は採用できない。

 

平成27年 8月28日 東京地裁判決

   イ 次いで,原告は,商法512条に基づき被告に対し上記の各契約範囲外工事に係る工事代金相当額の報酬支払請求権があると主張するので検討する。
 (ア) 原告の主張は,商人である施工者が施主のために当初の請負契約に含まれない工事を契約上の義務なく実施した場合にも商法512条に基づき施主に対し報酬請求権を取得するというものと解されるところ,同条の法意をそのように解したとしても,それは義務なく他人のために事務を行う事務管理(民法697条以下)の場合と同様といえるから,施工者に商法512条に基づく報酬請求権の取得を肯定するためには,当該事務が他人の事務であり,それを他人のために行うことが客観的に認められることを要すると解すべきである。以下,各工事ごとに個別に検討する。

 

平成27年 7月31日 東京地裁判決

原告は,商法512条に基づき,上記工事に係る報酬請求権を取得したと主張するが,本件全証拠を検討しても,同工事が本件建物の建築に必要不可欠であったことが客観的に明らかであるとは認めるに足りない。よって,原告が商法512条により上記工事に係る報酬請求権を取得したとはいえない。

馬場総合法律事務所
弁護士 馬場充俊
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