仮差押命令の効力は、債務者の破産手続の開始によってどのような影響を受けるか
破産手続の開始前から行われている仮差押手続は、破産手続の開始により破産財団に対しては効力を失うし、新たに破産財団に属する財産に対する仮差押えを行うことも許されない。
仮差押えは破産財団に対して効力を失うが、後に破産手続き開始決定が取り消されれば仮差押えは復活し効力を有する。
管財人は任意売却の際、仮差押えの登記を抹消することもでき、そのためには保全裁判所に対して仮差押登記の抹消嘱託の上申をすること要する。
不動産仮差押の執行取消手続
不動産に対する仮差押えの執行取消はどのようにすればよいか。
@債権者…仮差押命令の申立を取り下げることにより、執行を取消すことができる。
A債務者…解放金の供託・仮差押命令の取消決定による執行取消申立・民事執行法所定の執行取消文書の提出により、執行を取消すことができる。
仮差押命令の取消決定による執行取消申立
債務者からの保全異議(保32)、起訴命令期間徒過(37V)、事情の変更(38)を理由とする仮差押命令取り消しの申立に基づいて仮差押命令が取り消された場合、保全執行裁判所は、債務者から執行取消の申立書とともに仮差押命令の取消決定正本が提出されると、執行取消決定をし、かつ同決定を当事者双方に告知する。
執行取消文書
仮差押命令の申立の取下げを証する裁判所書記官の作成した文書、あるいは保全執行をしない旨を記載した裁判上の和解または調停調書の正本。
不動産仮差押えの抹消登記手続き及び抹消の登録免許税
@の場合…仮差押命令申立の取下書に、抹消登記に必要な登録免許税と予納郵券を添える
Aの場合…仮差押登記の抹消登記の登録免許税は、物件1個につき1000円。