就業規則の届出方法
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就業規則の届出方法

就業規則の届出について

就業規則の提出は、行政通達により、一定の要件を満たせば電子媒体によって行うことも可能です。
労基法90条1項により、就業規則の作成または変更については、過半数労働組合または過半数代表者の意見を聴かなければなりません。使用者は、就業規則を届け出る際、意見書を添付しなければなりません。
労働者側に就業規則の作成及び変更について一定範囲で発言の機会を付与し、労働者の就業規則内容の関心を高めることを趣旨としています。
意見聴取義務違反は30万円以下の罰金です。

 

意見書は、電子媒体によることはできません。

 

就業規則の本社一括届出は行政通達に定められる一定の要件を満たせば可能です。
しかし、意見聴取手続と意見書の添付は各事業所ごとに必要です。

 

意見聴取方法についての注意点
①過半数労働組合がある場合、これが正社員で組織されるものであっても、パートタイマー等の異なる雇用形態を対象とする就業規則についての意見聴取の相手方は、当該正社員で組織される過半数労働組合である。
パート労働法7条によれば、短期労働者の過半数を代表する者の意見を聴くことが努力義務とはされています。
パートタイマーから過半数代表者が選出された場合、正社員就業規則についても、かかるパートタイマーからの意見聴取が必要となります。正社員やフルタイマーについては、パート労働法7条のような規定の適用はなく、パートタイマーが過半数代表者として意見聴取されるような場合における就業規則についての意見表明の機会は保証されていません。
また、各種雇用形態別に労働者の過半数を代表する者の意見聴取では足りません。
②意見聴取とは、諮問をすれば足り、就業規則の作成・変更について協議・同意をとる必要はありません。行政通達によれば、就業規則に添付した意見書の内容が当該就業規則に全面的に反対であろうが、就業規則が無効になるものではないです。
ただし、少数派組合を含む労働組合から就業規則に規定する労働条件等に付き団体交渉申し入れがあった場合には、団体交渉義務はあります。
また、意見聴取にあたっては十分に陳述する機会と時間的余裕を与える必要がありますが、実際に労働者の意見を採用する必要はありません
労規則49条2項によれば、意見書は労働者を代表する者の署名又は記名押印が必要ですが、拒否された場合は、一定期限を設けて書面により意見表明又は署名・記名押印を求め、同期限を経過してもなお意見表明や署名・記名押印がなされない場合にはその旨を書面に記載し、労基署長に届け出ます。
③派遣元企業においては、派遣労働者を含めた全労働者を母数として、過半数労働組合又は過半数代表者から意見聴取をする必要があります。

 

過半数代表者について

過半数代表者の要件

①労基法41条2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと
②労基法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること
 →行政通達は「就業規則の作成・変更の際に使用者から意見を聴取される者等を選出することを明らかにして実施される」必要があること、及び「使用者の意向によって選出された者ではないこと」の要件を付け加えている。

 

過半数代表者の選出方法

労規則6条の2は、「投票、挙手等」の手続により選出されることとされており、労働者の話し合い、持ち回り決議等、労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きが該当する。
メールでもOKです。意見聴取のための過半数代表者を選出する旨及び立候補者名を明らかにし、信任の場合にその旨を明らかにして返信するよう記載したメールを投票権のあるすべての労働者に送信することが考えられる。
人事部は選出手続きや集計手続きを代行している旨を明確にアナウンスしたうえで、これらを受託する限度で関与できます。

 


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