
離婚届を提出した後、児童扶養手当の申請ができます。
児童扶養手当は申請月によって収入認定年度が違い、また申請者の収入だけではなく、同居している両親の収入額も考慮されます。
養育費は児童扶養手当の申請初年度には申告する必要はありません。次年度現況届の際に受け取った養育費の8割を所得として申告します。
手当の支給には所得制限があり、その所得制限も単独母子家庭の所得制限と同居している扶養義務者の所得制限があり、それぞれの所得から受給可能かどうかを自治体が判断します。
次の要件のいずれかに当てはまる児童(18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある子ども(障害等級2級以上の障害を有する場合は20歳まで))について、母、父又は養育者がその児童を監護している場合に支給されます。
なお、障害等級2級以上の障害を有する子どもを養育している場合に支給される特別児童扶養手当は20歳まで支給され、児童扶養手当と併給できます。
①父母が婚姻を解消した児童
②父又は母が死亡した児童
③父又は母が一定程度の障害の状態(障害年金1級程度)にある児童
④父又は母の生死が明らかでない児童
⑤父又は母が1年以上遺棄している児童
⑥父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けた児童
⑦父又は母が1年以上拘禁されている児童
⑧婚姻によらないで生まれた児童
⑨棄児などで父母がいるかいないかが明らかでない児童
①児童又は請求者が日本国内に住所を有しないとき
②請求者が公的年金(老齢福祉年金を除く。)を受けることができるとき。
③児童が父又は母の死亡について支給される公的年金を受けることができるとき。
④児童が児童福祉施設等に入所しているとき。
認定請求書に、①請求者及び対象児童の戸籍謄本、②世帯全員の住民票、③所得証明書、④請求者名義の預金通帳、⑤印鑑、⑥申請理由によりその他添付書類(未婚の母子の調書、遺棄の調書その他)を添付し、市町村の窓口に提出する。
「遺棄」とは、別居しており、監護していない場合です。
別居していても、仕送り、手紙、電話があれば「遺棄」には非該当です。
母の方が子供を連れて家出した場合でも、父の酒乱、暴力行為、女性関係、犯罪行為、サラ金借金、ギャンブル狂等のため、父の監護意思及び監護事実が客観的に認められず、かつ母に離婚の意思がある場合には、他の要件を満たす限り遺棄に該当すると考えられる。
非婚で出産し、ひとり親家庭として子どもを育てている場合には児童扶養手当が支給されます。
申請時には子どもの父親との交流状況を聞かれますが、事実婚状態でなければ支給されます。
離婚したとしても、夫婦としての共同生活を送っているという事実関係があれば偽装離婚を疑われ、児童扶養手当は支給されません。
児童扶養手当法上の事実婚の定義は、「同居あるいは、頻繁に定期的な訪問があり、かつ、定期的に生計費の補助をうけている場合」「母子が税法上の扶養親族としての取り扱いを受けている場合」となります。
障害年金2級が受給できるようになった時点で児童扶養手当は支給停止になります。
児童扶養手当法4条3項2号では「老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けることができるとき」が児童扶養手当の支給停止事由になっています。
老齢年金、遺族年金を受給できるようになった場合も障害年金と同じ扱いです。障害基礎年金は平成26年4月時点で年額77万2800円ですが、障害基礎年金には子の加算があります。18歳到達年度の末日までの間の子又は1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子が加算の対象です。
平成23年4月から障害年金加算改善法が施行され、障害年金の加算の対象が拡大されるとともに、児童扶養手当の支給停止の運用が見直されています。
児童扶養手当の支給要件のうち「父または母が一定以上(障害年金1級程度)の障害にある児童」については、父(又は母)が障害基礎年金を受け、子の加算の対象となっている場合には、その配偶者に児童扶養手当が支給されていませんでした。
しかし、平成23年4月以降は、それぞれの児童について、児童扶養手当額が障害基礎年金の子加算額を上回る場合は、毎年その旨申請し、年金受給権者と児童の間に生計維持関係がないものとして取扱い、子加算の対象としないことで、児童扶養手当を受給できるようになりました。
外国籍の方についても支給の対象となります。
次のいずれかに該当する18歳に達する日以後最初の3月31日までの子ども(特別児童扶養手当の対象となる程度の障害がある場合は20歳に達する日までの子ども)を監護しているお母さん,又は監護しかつ生計を同じくするお父さん,及び父母に代わって対象となる子どもを養育している人(児童と同居し,生計を同じくしていること。)が請求できます。
次のいずれかに該当するときは,手当を受給できません。
手当の額は,所得額に応じて決まります。
42,910円
所得額に応じて 10,120円~42,900円
全部支給(月額):10,140円
一部支給(月額):所得額に応じて 5,070円~10,130円
全部支給(月額):6,080円
一部支給(月額):所得額に応じて 3,040円~6,070円
手当は,請求される方,生計を同じくする扶養義務者等の前年(1月~7月(令和元年(2019年)以降は1月~10月)までの月分の手当については前々年分)の所得(給与所得者の場合は,給与所得控除後の所得)により手当額が決まります。
※前年の所得には,税法上の所得の他に,子どものお父さん又はお母さんから受け取った養育費の8割に相当する額も含められます(請求される方が養育者の場合を除く。)。
所得額 = 年間収入金額-必要経費(給与所得控除等)
+前年にお母さん(お父さん)が子どものお父さん(お母さん)から受け取った養育費の8割に相当する額
+前年に子どもがお父さん(お母さん)から受け取った養育費の8割に相当する額
-8万円(社会保険料相当)
-下記の諸控除
寡婦・寡夫控除が適用されない未婚のひとり親(養育者及び扶養義務者に限る)の方は,要件を満たす場合,児童扶養手当に係る所得の算定において,寡婦(夫)控除を受けた方と同様,27万円又は35万円を控除します。
認定請求は,お住まいの区役所・支所保健福祉センター子どもはぐくみ室(京北地域の方は京北出張所)で行ってください。
児童扶養手当を受給されている方(支給停止の方を含む)は,受給資格の確認のため,毎年8月1日から8月31日までに現況届の提出が必要です。
この届出がないと,継続して手当を受けることができません。また,期限を過ぎて提出されますと,手当の支給が遅れる場合がありますので,ご注意ください。
ひとり親家庭の自立を促進するため,手当の受給期間が5年等を超えるとき(手当の認定請求(額改定請求)をした日において3歳未満の子どもを監護する場合は,この子どもが3歳に達した日の属する月の翌月の初日から起算して5年を経過したとき)は,手当の一部を支給停止(2分の1減額措置[減額上限額は5年等経過月の翌月の手当額の2分の1])することとされていますが,下記の《適用除外事由》に該当する場合,手続をしていただければ,それまでと同様に児童扶養手当を受給することができます。
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