隣人と境界でもめた時の対応は・・・?

お隣さんとの境界トラブル発生・・・

Aさんの家のお隣に住むBさんという人がいるとします。
Bさんは、Bさんが所有するその土地を分筆して、Cさんに売却することとなり、測量が入ったところ、このとき境界をめぐるトラブルが生じました。
その土地の一部(本件係争地)はAさんが長年自分の土地(お庭)の一部だと思って使っていたのですが、一方Bさんの測量士によると本件係争地はBさんの土地に含まれるものであると説明し、Aさんに対して「筆界確認書」の署名・押印を求めました。
Aさんの立場としてどのように考えるべきでしょうか?

筆界(公的境界線)と境界(私的境界線)

隣接する土地同士の境界線のうち、筆界(公的境界線)と境界(私的境界線)の二つがあります。
筆界(公的境界線)は国家がつくった公的な不動産登記簿上の境界線です。
境界(私的境界線)は土地所有権範囲を決める私的な境界です。

 

上記測量士がAさんに求めてきた「筆界確認書」は筆界(公的境界線)に関する確認書です。

 

筆界(公的境界線)は、国家が決めたもので私人間で勝手に変更できないものです。
とすると、私人であるBさん(測量士)が隣人Aさんに筆界の確認を求めること自体おかしいように思われるかもしれません。
しかし、筆界は登記所である法務局に公図という形で測量図も付いて残っているのですが、現場に測量当時確定した適正な界標が天災・事変・時の流れで不明になる場合があり、この界標の現地確認を求める意味だということになります。

 

安易に「筆界確認書」に署名押印するべきでない

「筆界確認書」は国家が決めた公的境界線であり所有権の範囲を決めるものでないからといって安易にAさんは署名押印するべきではないでしょう。
ここで筆界確定に同意し新たに界標を打ち込むと、Aさんは所有権の範囲についても(あとで反証しない限り)同意したということになってしまいます
つまり、その同意書は筆界(公的境界線)を決めるものであっても、後日に境界(私的境界線)について争いずらくなってしまいます
Aさんは上記のとおり、本件係争地を長年自宅のお庭だと思って使っていましたが、Bさん側の土地に含まれる境界(私的境界線)だと推定・判断されてしまうので、Aさんは今後お庭として使うことができなくなるのです。

 

Aさんの取るべき法的手段

筆界(公的境界線)で戦う

まず、公的境界線について食い違いが生じ、Aさんは同意できませんので、筆界特定制度で解決することになります。筆界特定制度は、裁判によらず適正・公平・迅速な筆界確定ができる制度であり、費用負担も軽いものとなっています(また、別の機会に詳しくご説明したいと思います。)。しかし、筆界特定制度によっても解決できなかった場合は、筆界確定訴訟によることとなります。

境界(私的境界線)で戦う

仮に、筆界(公的境界線)でAさんの主張が通らなかった場合、本件係争地は登記上Bさんの土地だったことになります。
しかし、長年Aさんが自分の土地として占有し使い続けていたことから、取得時効を主張することになります
これはBさんの土地の一部の時効取得となりますが、一筆の土地の一部の時効取得が認められるかどうか(最高裁平成18年1月17日判決)という論点が絡むところになります
また、BさんがCさんに対して土地を売却してしまい、Cさんが登記を備えてしまえばAさんは時効取得をもはや主張できなくなります(取得時効と対抗要件の論点といいます)。これを防ぐためには、売却されてしまう前にAさんは「処分禁止の仮処分」を申し立てなければなりませんが、一筆の土地の一部のために処分禁止の仮処分をすることができるのかという論点があります

 

不動産トラブルは弁護士馬場充俊にお気軽にご連絡ください

いかがだったでしょうか?上記論点は複雑な法的問題が絡むために弁護士に依頼すべき紛争類型です。
不動産トラブル・隣地トラブルについても承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 


 

馬場総合法律事務所
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