
子一人の養育費については、性質上、算定表の上限額が1つの目安となる。子二人以上の養育費及び婚姻費用については、事案に応じ調整する。
養育費について、妻の収入が夫と同額である場合の養育費額を原則として上限とするものとされている。
権利者の収入が義務者を上回るからといって、義務者が婚姻費用・養育費の分担義務を免れるわけではない。あくまでも、収入に応じた費用を分担する必要がある。
この場合、権利者の収入が義務者と同額である場合の分担額を上限とすることとされている。そして標準算定方式にあてはめることになる。
なお、義務者に稼働能力が認められるにもかかわらず、あえて低い収入に甘んじている場合等には、潜在的な稼働能力に応じた収入を認定して相当額を分担させることになる。
国外在住の妻・夫・子については、地域格差の程度に応じ、基礎収入割合又は生活費指数を調整することが考えられる。標準算定方式での生活費指数は、日本国内で生活していることを前提とするものである。
大阪高等裁判所 平成18年(ラ)第58号 婚姻費用分担審判に対する即時抗告事件 平成18年7月31日
「妻からタイ王国に居住する夫に対する婚姻費用分担を求めた事案の即時抗告審において,いわゆる標準的算定方法における生活費指数は,当該人が我が国内で生活していることを前提とするものであり,夫及び夫が扶養義務を負う内妻との間の子らはいずれもタイ王国に生活の本拠を置いているところ,タイ王国の物価が日本に比べて格段に安いことは公知の事実であり,同国では日本の半額程度の費用で生活することが可能であると推認されるから,夫及び内妻との間の子らの生活費指数をいずれも標準的算定方法に示された数値の2分の1とした上で,標準的算定方法を用いて婚姻費用を算定した事例」
妻・夫・子のいずれかが国外在住である場合でも、事案に応じ、地域格差を考慮しないこともある。
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弁護士 馬場充俊
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