離婚後に新しい家庭が出来た事情
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離婚後に新しい家庭が出来た事情

1 妻が再婚し、子が養子縁組をした場合

 妻が再婚し、再婚相手と子が養子縁組をした場合には、夫の負う養育費支払義務は二次的なものとなる。
 妻が再婚しただけでは、夫は子の扶養義務を免れませんが、再婚相手と子が養子縁組をしたならば、扶養義務は養親が一次的に負うことになるので(818②、877)、妻と再婚相手の収支状況、再婚相手(養親)の稼働能力等を考慮したうえで、経済的資力がないと判断される場合には、二次的に夫(実親)が扶養義務を負うことになります。

 

神戸家庭裁判所姫路支部 平成12年(家)第167号 子の監護に関する処分(養育費請求)申立事件 平成12年9月4日「以上の認定事実によれば,申立人(妻)らは,住宅ローンがなければ未成年者に対し十分な扶養義務を履行できる状況にあるものと認められる。そして,既述のとおり,住宅ローンは平成10年の再婚後に組んだもので,申立人はこれが家計に及ぼす影響を十分理解しながら,養父聡の収入をもってすれば返済可能であるとの自己判断に基づき負担したものであって,その後の経済情勢の変化,養父聡の減収等によって見込が外れたからといって,これを相手方の負担に転嫁するのは相当でない。とすれば,相手方(元夫)は養親及び親権者である申立人らに劣後する扶養義務を負担するに過ぎない以上,相手方には現時点で具体的な養育費の負担義務は発生していないと言わざるを得ない。」

 

2 夫が再婚し、新たに子が生まれた場合

 再婚相手が無収入の場合、その生活費指数を55とし、夫が被扶養者全員と同居しているものと仮定して養育費を算出する。
 元妻の実子だけでなく、夫が再婚した配偶者、その間にできた実子、養子(連れ子)の全員と同居していると仮定して子に当てられるべき生活費の額を計算するのですが、義務者の再婚相手である配偶者の生活費指数をどう見るのかが問題となります。
 再婚相手に自らの生活を賄う収入がある場合は、配偶者の生活費指数は配慮されません。
 しかし、再婚相手が無収入である場合は、生活費指数は55とされており、理由は、再婚相手は夫と同居しており、住居費等を要しない同一世帯を構成しているためと説明されています。

 

・婚姻費用の算定にあたり、夫と同棲する女性の生活費は、当該女性との関係が婚姻関係破たん後に生じた等の特段の事情がない限り考慮しないとした事例(東京高決昭和58・6・21判時1086・104)。

 

・公正証書により定められた養育費について,支払夫(父)から,養育費の減額を求めた事案において,支払夫が再婚し,子をもうけたという事情は,再婚相手に収入がない現時点では,養育費条項を変更すべき事情に当たるが,再婚相手の育児休業期間経過後は,再婚相手も出生した子の養育費を負担できるようになることが予想され,その後必要があれば支払夫において再度減額等の申立てをするのが相当であるとして,再婚相手の育児休業期間が終了する月までに限り,養育費を減額した事例(福島家庭裁判所会津若松支部 平成19年(家)第391号 養育費減額申立事件 平成19年11月9日)。

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