算定後の事情変更
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算定後の事情変更

1 収入の増減に基づき金額が変更される場合

 収入の増減が、合意当時に予見できなかった重大な事情変更に当たる場合、養育費等の増減額が認められます。

 

福岡高等裁判所宮崎支部 昭和55年(ラ)第17号 養育費支払免除申立却下審判に対する即時抗告事件 昭和56年3月10日「家庭裁判所が、民法第八八〇条により、扶養関係に関する協議又は審判があつた後に、事情の変更があつたものとして、その変更又は取消をすることができる場合のいわゆる事情とは、前審判又は協議の際、考慮され、その前提ないし基準とされていた事情を指し、しかも右事情の中には、前審判又は協議の際、既に判明していた事情のみならず、当事者において当然予見し得た事情も含まれるものと解するのが合理的である。したがつて、右予見し得た事情が、その後現実化したとしても、原則として、これは事情の変更があつたものと解することはできない。」
山口家庭裁判所 平成3年(家)第421号、平成3年(家)第422号、平成3年(家)第423号 子の監護に関する処分(養育費減額)申立事件 平成4年12月「以上認定の事実によれば,本件申立時においては調停の成立した昭和63年当時とは申立人の収入が著しく変化したばかりでなく,新たな家庭が出来,そのための生活費を確保せねばならない等,生活状況が大きく変化したことは明らかであるから,そのような事情変更を考慮し,事件本人らの養育費の額を相当額減ずることは己む(ママ)を得ないというべきである。」

 

東京高等裁判所 平成19年(ラ)第1199号 養育費減額審判に対する抗告事件 平成19年11月9日「調停の当時,当事者に予測不能であったことが後に生じた場合に限り,これを事情の変更と評価して調停の内容を変更することが認められるものであるところ,調停成立時,再婚し,再婚相手の長女と養子縁組をしており,トラックを買い換えるか又はトラックをレンタルで借りるかしなければならない事情を認識していた支払義務者(父)としては,婚姻と養子縁組による社会保険料の増加及びトラックのレンタル料の支払による総収入の減少について具体的に認識していたか,少なくとも十分予測可能であったというべきであるから,当該総収入の減少は養育費を減額すべき事情の変更ということはできない。」

 

 

2 算定表より低い合意を見直す場合

 妻・夫が合意した養育費の額が通常の額よりも少ない場合には、その点も斟酌して事情変更の有無が判断されます。

 

3 算定表よりも高い合意を見直す場合

 諸事情により、算定表より高額の合意をした等の場合でも、重大な事情変更が認められれば、減額が認められ得る。

 

4 一括払い後に養育費の請求がなされた場合

 一括払いの合意時に予測できない事情変更があったか否かがポイントになります。

 

5 養育費と慰謝料との相殺後に養育費の請求がなされた場合

 養育費と慰謝料を相殺する合意も有効です。ただし、子の生活が窮する危険が生じないような合意内容でなければなりません。

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